さて、一通りやってみましたDQⅦ。
やっぱり長かったDQⅦ。ディスク1だけで終わっても良かったんじゃないか。
これだけのボリュームにするなら、相応のアイデアが必須だったにも関わらず、通して見てみれば、過ぎたるは及ばざるが如しとしか映らない完成度でした。はっきり言ってしまえば、下手くそ。
思い返してみようにも、長過ぎてよく思い出せないのが本当のところです。
アタシの中のドラクエ史上最大にして、初のイライラ感を与えてくれた作品であることが真っ先に思い出されるくらい。
エンディングを迎えても、達成感より脱力感の方が大きかった気がします。実はまだ神様への挑戦が残ってるんですが、もうどうでもよくなってしまいました。
キャラの見た目に好感が持てなかったので、今回はしつこいくらいに仲間たちへ話し掛けてみたら、マリベルの返しはけっこう楽しく付き合えました。
最も気に入らないポイントであるキャラへの不服の中にあって、これが唯一の救いかもしれません。
結局好奇心から始めた冒険が、魔王と戦うまでに至ってしまい、彼らが目指したものがよく解りませんでした。
ただの旅人(むしろ迷子?)でしかないのに、誰からのどんなお願いもあっさり引き受けてしまい、お人好しもここまでくると呆れます。
ただ今回は2度「NO」と言える場面があって、内1つは回答によって町が生きるか滅ぶかの結末が用意されていた点は注目してみました。
数あるショートストーリーの中で、アタシが最も印象深かったのはこれですね。
次点で最初の話と、主人公が到着した頃には既に時遅しの話。後に移民の町ができる町のお話ね。
他は印象薄いかなぁ…。
あ、機械兵に支配された国の話は楽しかったですよ。やり尽くされたテーマだけど、アタシの趣味に合ってるのですね。
あと、たまに入るムービーは、要らないと思います。
それだけ見てると、これ何のゲームだっけと忘れるほどの内容でした。
音楽面でも今一つ。
Ⅷのラスボス戦みたいに、油断していたBGMにやられるってことも今回は全くでした。
バトル曲の導入部分と画面の移り変わりは良かったのに。なんかⅦのバトル曲は、モンスターと戯れてるイメージじゃないですか。あんまり緊迫した感じじゃないよね。
ちなみに1番好きなバトル曲はⅣです。親しみがあるのはやっぱりⅤで、「戦闘」らしさが出てるのはⅢかな。
だけど、オーケストラ版のⅧを初めて聴いた時、全然好みじゃないはずなのに、何故かこの曲だけ鳥肌が立ったのは内緒。(でも他のと比べてやけに音質悪いね)
Ⅶは呪文やスキルの習得が職業に大きく左右され、ボス戦を前にしてもキアリーすら誰も覚えていない事態は、他じゃなかなかないよなぁ、と袋から毒消し草を探す度に違和感を覚えました。
ベホマラーを覚える前に、賢者の石を手に入れてたのもなんか間抜けな感じ。
困ったのは、ザオリクやフバーハが中盤を過ぎても無かったこと。ボス戦では痛かったです。(プレイヤーの作戦ミスとも言えるけど)
眠ったら起こせないし、倒れたらそのままの戦闘もよくありました。
終盤初期辺りまで、攻撃力と回復力だけでゴリ押しです。あれでよく勝ってこられたもんだと思います。
欲しい呪文やスキルが単純にレベルを上げるだけでは覚えられず、不十分な態勢のまま厄介な敵を相手にすると、瞬く間に壊滅の危機に瀕する場面が多かったです。
敵が手強いと感じたのはこれが大きい気がします。
そのくせ無駄にスキルが多く、呪文は回復系と補助系の一部が活躍するのみで、攻撃呪文など無くてもいいとさえ思えてきます。
呪文と同様の効果を得られるスキルがMP0で発動できますもんね。呪文の価値が疑われますよ。
ってな感じで、あまりいい印象のないⅦでしたね。
もし、初めて手に取ったドラクエがⅦだったら、他のシリーズに手が伸びていたかどうか、少々怪しいところです。
こうして見ると、Ⅷってかなり優等生なんじゃないかと思えてきます。
割と基本に忠実と言うか、今までのいいとこ取りと言うか。それに、当たり前のように感じてましたけど、Ⅶまでと比べると装備によるパラメーター変化の表示など、グッと分かり易く、親切になってます。(DSリメイク版もそうだっけ?)
グラフィックは勿論、キャラ作りや呪文・スキルのバランスもⅦより断然上手く、進化のほどが窺え知れますね。
ただ、戦闘シーンなど派手な見た目に反して、何となくストーリーを含め、全体的なイメージは地味にまとまっちゃった印象。優秀だけど面白味に欠けてしまう。そんな感覚。
なんとかⅦの褒める箇所を探そうと努力はしたつもりでしたけど、ダメなところが多過ぎてさじ投げしてしまいました。
たぶん、寸分の狂いもなく駄作と言い切れるほどじゃないんでしょうが、今まで見てきたドラクエが良かっただけに、残念な思いが強いです。
工夫が足りない。これに尽きるんじゃないかと。