こちら、元々はPC用として発売されていたアドベンチャーゲームで、Vita用にR18要素をカットして移植されたものでして、『グリザイアの果実』、『グリザイアの迷宮』、『グリザイアの楽園』と3部作構成になっております。
アニメを拝見してシナリオの面白さは確信できたこともあり、どうせ1つ手を出すならシリーズごといっちまえ、と3作品とも買い込むことにしました。
ネットで在庫ありのお店を探したところ、『果実』で発売から1年半程度、『迷宮』で3か月程度しか経っていないというのに、どちらも取り寄せ扱いのお店が多く、日を追うごとにお安いお店から在庫数が減っていくことに焦りを覚え、Vita共々、予定を早めてソフトの確保に取り掛かった経緯があります。
現役のハード用に発売されたゲームソフトなら、限定版でもなければいつでも手に入るでしょ。発売からしばらく経ったソフトなら格安で買えちゃうでしょ。くらいの感覚でいたワタシは、己の認識の甘さを痛感した次第です。
そんな勉強を経て購入したソフト。まずは順番通り『果実』から始め、一通り終えたところです。
アニメと同じ順序でやるつもりでしたけれど、榊由美子と松嶋みちるが逆になっちゃった。もっとも、アニメを見た限り、1番奥底が深そうな周防天音が最後に来れば、あとは気分で決めてもよかったのですけれども。
アドベンチャーというジャンルのゲームをやるのがほぼ初めてなので、こちらのゲームが他のそれと比べてどうなのかは判然としないのですが、基本的に主人公・風見雄二の視点で物語りが進み、半分強ほど進んだところで5人のヒロインそれぞれのルートに分岐する選択画面が出現し、その選択によって未来が変わるという展開です。
その選択画面も数えるほどしか出現しないので、基本的にはボタンを押すなりタッチなりして、ストーリーを進めるだけの操作になります。
これまでにワタシが慣れ親しんできたゲームより、映像作品の視聴、或いは小説を読む感覚に近いですね。
元よりゲームが大好きという人間ではないので、高難度に対するやり応えは全く求めていませんでしたし、こういうスタイルも悪くない。
と言うより、シナリオやキャラクター重視で、忙しい操作が苦手なワタシの性に合っているかもしれません。
単純に読み物として面白く、下手な小説より充足した読後感を得られます。
作風は個別のルートに入るとぐぐーんとシリアス度が増すものの、全体としてはコメディも豊富な印象。
ワタシとしては全部コメディでもいいくらいなのですが、辛い過去、暗い背景を背負っているからこそキャラクターたちの魅力が引き立つのでしょう。
現在のような人格が形成された理由があるのとないのとでは説得力が全然違いますし、多少は緊張感を持っていないと軽く見え過ぎてしまうきらいもありますものね。多少かどうかは分かりませんが。
ある程度は予想していましたけれど、アニメは尺的にかなりハードルが高く、原作であるゲームのシナリオをだいぶ削っていますね。
ゲームを知った後ですと、小説が原作の映画に感じるのと同様のさっくり感があります。このボリュームだと、せめて2クールで1つのルートに対して4~5話は欲しかったところかもしれません。
他のルートと両立が難しいシナリオに大胆なアレンジが施されていることも含め、どうしたって割り切りは必要なんですけれどね。
そんなこんなでこちらのゲーム、当初の期待より遥かに深く没入できました。
何より、最近ついてないなあ、と気落ちしていたワタシの数少ない純粋な楽しみとなって、支えてもらえたことに感謝感謝です。
初めてのアドベンチャーゲームということもあって、たいへん印象深いゲームになったと思います。
本作のシリアスの存在感は認めつつも、やっぱりひたすらボケ倒しているお話も見てみたくて、PC用に発売されているスピンオフ作品『アイドル魔法少女ちるちる☆みちる』も気になっていたり。(内容はよく知らないのですが、たぶんコメディ一色だと思う)
これVita版は出ないのかなあ。Vitaの何処でも好きな場所で好きなタイミングで始めて中断できる気安さは、けっこう重要に感じるところなのですけれども。
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